「大好きなミニカー、ここに置いておこうね。」 乳児のモデル人形に、そう声をかけながら、看護学部の学生が、ベッド横のサイドテーブルにミニカーを置く。看護学部3年生の授業「小児看護支援論」の一幕です。


看護学部3年生は6月から来年の2月にかけて、実際の医療現場での実習に臨みます。今はそのための準備期間。大学内の実習室でも実践に即した授業が行われています。 5月12日(金)に行われた授業のテーマは“子どもの安全・安楽をふまえた療養環境”についてです。今回は、生後10か月頃(つかまり立ちをし始める頃)の乳児を想定しています。ベッドの周りには、おもちゃの空箱、ミニカー、折り紙、はさみ、点滴のチューブなど乳児にとって危険なものもありそうです。それらをどう扱えば安全なのか、どう配置すれば子どもの安楽に繋がるのかを考え、実践してみるのです。



学生達は、実践→振り返り→実践→振り返り・・・を繰り返し、学びを深めます。
点滴の位置一つにしても、学生同士で意見を出し合います。
「点滴のチューブが子どもに絡まっていたら、最初に、そこから直したほうがいいと思う。」
「足元だとチューブが引っ張られたときに危ないと思う。」
また、おもちゃ一つにも気を配ります。
「おもちゃを全部片付けてしまうと、子どもが寂しさを感じてしまうかも。」
「遊び慣れたミニカーが見えるだけで安心すると思う。」
「好きな人形が隣に寝ている方が安心すると思う。」
「でも、誤飲しそうな附属品は取り除いておいた方がいいよね。」
安全面だけでなく、不安を抱えながら入院している子どもの気持ちに寄り添う意見も多く出ていたのが印象的でした。


先生からは、患者さんの状況や周囲の様子に合わせて、どうしたら安全を確保できるか、どう安楽を与えられるのかについて、自分なりの考えを持つことが大事である、とアドバイスがありました。
取材する中で、この学生達ならば実際の子どもたちを前にしても、優しく声を掛けながら実習できるだろうなと想像することができました。 3年生は、来月6月の宣誓式を経て、実際の医療現場での実習に臨みます。



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(入試広報課 中川)