今回リポートするのは、看護学部1年生の前期授業「看護とホスピタリティⅠ」です。
西武文理大学ではホスピタリティ(相手を思いやり、真心をこめてもてなす心)を軸にした教育を実践していますが、こちらの授業では、社会生活や看護活動におけるホスピタリティの意義について学び、自己の考えるホスピタリティを言語化することを目指します。1年生の初期から、「ホスピタリティとは何か」に真剣に向き合うのです。
さて授業3回目の4月25日は、ゲストスピーカーとして、狭山市にあるお茶屋さん『宮野園』の茶匠、宮野圭司さんをお招きして、社会におけるホスピタリティを学びます。お茶とホスピタリティとはどういうことなのでしょうか。

宮野さんは、学生達に言います。「気持ちを込めて一杯のお茶を淹れてほしい」と。相手の好みは、甘いのか渋いのか苦いのか、相手の好みを考えながら、相手の為だけにゆっくりとお茶を淹れる。そして受け取る側は、自分の為だけに淹れてくれたお茶を飲む。ここにお茶から学ぶホスピタリティがあるのだと。
宮野さんは続けます。「ただのサービスは、いつでもどこでも誰にでもでき、1対多数で成り立つ。一方で、ホスピタリティは、今ここでこの人に、1対1の関係の中で相互満足があって成り立つものである」と。
気持ちや思いを込めて淹れたお茶は、風味が増し更に美味しくなるのだそうです。相手を思いやり真心を込めること=ホスピタリティがいかに大事であるかが分かりました。
日本三大銘茶で名高い狭山茶を誇る狭山市。その狭山市に位置する西武文理大学で、狭山茶からホスピタリティを学ぶというのは、西武文理大学だからこその面白い授業であると感じました。「狭山市を好きになるきっかけとなって欲しい」という高野さんの思いも学生に伝わったと思います。
最後に高野さんから学生達にメッセージがありました。
「学生生活も日々忙しくなると思う。ただ、1日5分だけでも自分自身のために丁寧にお茶を淹れてココロとカラダを整えて欲しい。ゆっくり目を閉じてお茶を味わうことで疲労が軽減される効果もある。そして、何かに悩んだときは、ぜひ一番笑顔になれる選択をしていってほしい。」
講演は大きな拍手で幕を閉じました。
学生達は、これからも、この授業「看護とホスピタリティⅠ」で看護活動におけるホスピタリティについての学びを進めます。医療従事者には、人間を深く理解する力や一人ひとりに合わせて対応する力が求められると思います。その基礎としてホスピタリティを学び、実習等の経験を積んでいく学生たちの姿を、今後も見守りたいと思います。 (入試広報課 中川)



